Piceiver製作のきっかけ

piceiver

インターネットやパソコンの黎明期からコンピュータエンジニアリングの世界にいる私ですが、それでもインターネットラジオが出現したときには驚きました。 色々なジャンルの曲やいろんな言語のニュースがタダで選び放題、聞き放題。 もともと、洋楽が好きでしたが、その頃、特定のジャンルの洋楽を流している国内ラジオ局なんて ありませんでしたから、好きな音楽が聞き放題のインターネットラジオは、まさに天国だと思いましたね。 (ちなみにその頃からCDのようなメディアを購入することが少なくなりました。)

また、英語の勉強の為のソースとしても抜群に便利だと思いました。英語ニュースを一日中流しっぱなし にして聴くなんてことも可能です。CDとちがって聞き飽きることも無いです。自分は 関東圏に住んでいるので米軍のAFR(私の世代だとFENと言った方が良くわかる)なんかも聴いていたのですが いざ、トークが聴きたい時に音楽ばかり流していたりと不便だったんですよね。

そんなわけで、とにかくパソコンに向かって作業をしているときには必ずなんらかのインターネットラジオを流しながら 仕事をしていました。

でも、便利になると欲がでるもので、通勤中の移動時間にも聴きたい!なんて当時は思っておりました。 しかしそれも、iPhone や Android 端末の登場で可能になります。一日中、インターネットラジオ漬けの 夢のような生活を送れるようになりました(笑)。本当にいい世の中になったものです。

一方で、問題点もわかってきました。パソコンで聴く場合、パソコンを立ち上げ、ウェブブラウザを立ち上げ、 ラジオサイトのストリーミング再生のボタンをクリックですね。スマホの場合でも、画面をスワイプしてロック解除、 アプリを立ち上げて、局を選択となります。操作の手順が非常に煩雑なんですよね。これ、なんとかならないモノかと思っていたんです。 結構、普段聞く局って数局って決まっているのでダイレクトにそれを再生開始したい。 ウザったい操作したくないんです。

そんな事を思っていたら、最近では一般のオーディオメーカーの安価なミニコンポでもインターネットラジオ対応の ものが登場しているんですよね。これはいいです。あらかじめ設定しておけば、リモコンでポンと一発選局で お気に入りの局が聴ける。本当に買ってしまう一歩手前まで行ってしまいました。

そんな時と同じくして、趣味で検討していた安価で小型でLinuxの動作するコンピュータボード Raspberry Pi を 活用する題材を探していた私はひらめきました。

よし、自分の好みのインターネットラジオを作ってしまおう!と、

コンピュータボード Raspberry Pi ですが、すでに世界中の多くの人たちの貢献のおかげで必要な要素技術は ほとんど実現されています。一般に出回っているデバイスドライバの対応やインターネットラジオの受信機能 なんてもうすでにありますし、やりたいことに近いことは世界中のプログラマが既に実現しているかヒントになる 実験をされていたりします。全く素晴らしい世界ですね。私は Linux でのプログラミングはプロではありませんが、 幸い、簡単なコーディングやスクリプトの作成の素養はあります。すでに実現できているソフトウエアコンポーネントの 組み合わせでやりたいことが実現できるようになった今、私のレベルでも作りたい機能が十分実現できそうです。 また、既製品とはちがい、クラウド活用やIoT的な要素を入れたカスタマイズなど色々実験して楽しめそうです。。

そんな、妄想を抱いていましたが、これはやってみるしかありません。久しぶりにワクワクしてきました。 実際の実装作業で思い通りにいかない事もありましたが、ネットの世界は深いです。解決のヒントは、 必ずネットの中にありました。自分には最初困難だと思っていたあらゆる課題は、ネットの情報を駆使して 丹念に解決できていきました。

そして、完成したのがこの、Piceiver 。電源スイッチを入れて、チャンネルのスイッチをひねって 希望の局に合わせるだけ。ストレスフリー。やりたいことをストレートに操作するスッキリUI。

完成してからずーっと書斎のメインのオーディオとして使用していますが、非常に満足しています。 私はオーディオマニアではないので、音質とかは胸を張ってすごいとは言えないのですが、とりあえず 普段聴きには十分なレベルかなと思います。

やろうと思えばハイレゾ対応とかアナログ的にもアンプ部を変えてグレードアップするなどいろいろ出来ますが そちらは私の趣味の方向性とは異なりますので今のところ考えておりません。

自分のこだわりは、直観的な操作で簡単に聴きはじめることができる。です。これって、単純に素晴らしいですよ。

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